広告運用における手数料って、どのように考えて設定すべきなんでしょうか?

毎月キーマケLabでは、フリーランスや副業で広告運用をされる方が知っておくと得をする、あるいは知らないと損をするような情報を「アドむすび」の事業開発担当者である石川 優二氏@yujisikawaとの対談の中でお伝えしています。

第1回:広告運用の初案件って、どのように受注すればいいんでしょう?
第2回:個人で広告運用する際に身につけておくべき強みやスキルとは?
第3回:広告運用における手数料って、どのように考えるべきなのでしょうか?
第4回:広告運用における契約書や与信の重要性

第3回の連載である今回は「広告運用における手数料って、どのように考えるべきなのでしょうか?」というテーマでお伝えしていきます。

目次

広告運用における手数料の考え方

川手:まずは広告代理店含め、だいたい何%ぐらい手数料を取っているところが多いんですかね。

自分の知り合いの広告代理店などの話を聞いている限り、20%で請け負っているところが多いです。

もともと15%とかでやっていたところとかも、ここ数年で20%に引き上げてやっているところが多いですね。

あと手数料は低く見せてるんですけど、自社のプロダクトや広告配信面なんかをうまく掛け合わせて販売して、ふたを開けてみると「あれ、それだと広告手数料、実質30%ぐらいになってません?」なんてケースも(苦笑)

石川:やっぱり個人で開業してこれから…という時に「手数料なんですけど…」と相談を受けるケースは多いです。

フリーランスの方だと固定でやられる方もいらっしゃれば、15%前後でやられている方も多いです。話を聞いていると、「本当は20%欲しいんですが….」みたいな方も多いですね。

ただ最初は特にお仕事も欲しかったりしますし、色々考えた上で「最初は15%でやってみます」となるような方が多いですね。

手数料の設定方法

川手:広告代理店が手数料20%を取るのは、サポート体制(病欠、担当者の退職時の引継ぎやサポート)がしっかりしていたり、連絡がスムーズに取れたり、追加費用無しに画像クリエイティブの制作が可能なところが多いです。

またそもそも広告費を広告代理店が立て替える場合、クライアント側がそれによってキャッシュフロー面でベネフィットを享受していたり…。

そういった、単純な代行費以外の事情によるものだと認識しています。

それが個人の場合、色々と提供できる価値も減ってきます。

仮に同じ20%の手数料であれば、いわゆる「担当者ガチャ」によるリスクはあるものの、「フリーランスの方ではなく広告代理店に…」と考える人が、一定数存在するというのも理解できます。

川手:もちろん「だからフリーランスは多く手数料を取るな」「20%を取るな」というつもりは毛頭ありませんが…単に比較された際に厳しくなりますよね、という話ですよね。

石川:前の対談の時にも話したけど、そういったところで「自分の強みをどう活かすか」が重要になってきますよね。

例えば、広告運用代行の手数料として15%頂くとして、自分の強みが「獲得ができる Web サイト制作」であれば別途 LP 制作を請け負ったり、保守を請け負ったりだとか。

また獲得ができる Web サイト制作が得意なのであれば、どんどん獲得できるようになってくるので広告費が伸びていく可能性もあるわけで、そういった展開を想定しておき、そもそもベースの手数料については10%に設定しておいて、あとは成果報酬制にしてもらえるように交渉するだとか。

クライアント負担が増えてしまうことも…

川手:一方、交渉することによって、クライアントさん側の負担が増えてしまう可能性がある点についても考える必要がありますよね。

例えば先ほど話に上がった成果報酬に関しても、しっかりと計測できる環境を用意できないクライアントさんも存在しているため、交渉することによって「めんどくさいな…」と思われてしまったりだとか。

あと実際には成約が発生しているものの、故意ではないにしても効果計測できていなかったりだとか、アフィリエイトをやっているクライアントさんとかからすると全然問題ないんでしょうけど、そうではない場合は結構最初は環境を用意するのも難しいと思います。

石川:石川:お客さんの集客や広告運用の手助けとして入っているのに、逆に負担を増やしてしまったら本末転倒ですからね。当然クライアントさん側でのリソース負荷も考慮したうえで提案したりしなければいけません。

フリーランスゆえのリソース調整の難しさも

石川:これは私見ですが、特に最初のうちは利益を追求しすぎない方が良いと考えています。

最初のうちはできるのであれば10%とかでも受けて、そこから実績を積みつつ「どうやっていくか」を考えていくのが良いように思います

川手:先日「仕事は選んでいると良い仕事は来ない、仕事を選ばないと良い仕事はできない」という記事を読んでいても同じことを思いましたが、まさにその通りだと思います。

個人的にフリーランスで広告運用されている方とよく会って、お話をする機会があります。

その際に「仕事の依頼が立て続けにきて断らざるを得なかった」「本当はやりたい仕事だったんだけど…」みたいな話を、本当によく耳にします。

だから一見すると、「じゃあ選り好みすればいいのでは」と思ってしまう。ところが、実際には仕事を選んでいると、良い仕事はこない。

石川:その通り。

川手:だからこそ石川さんがおっしゃる、実績を積みつつ「どうやっていくか」を考えていくのが一番良いように思います。個人だと特に、リソースが有限な点が悩ましいところですが。

石川:リソースに限りがあるのも、フリーランスゆえの問題ですよね。

最後に

次回は「広告運用時における契約締結の重要性」というテーマでの連載記事の公開を予定しています。

企画・執筆・編集・対談:川手遼一
対談協力:石川優二
イラスト:松岡タイキ
イラストもと撮影:コウノタカユキ(Taka)

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