広告運用でしっかりと成果を出す上で、しっかりとしたランディングページ(以下、LP)制作は欠かせません。
2024年8月、ベクトルデジタルは新たなサービスとして、インターネット広告運用代行顧客向けに「LP 無料化宣言(※適用条件あり)」というプレスリリースを出し、適用条件にあった企業への LP 提供を無料で行う取り組みを開始しました。

今回はその LP 制作を取り仕切っているベクトルデジタル本部 Lead Conversion Strategist 松本景太さんに、そもそも「LP 無料化宣言(※適用条件あり)」を打ち出す理由や、背景について伺いました。

左:株式会社ベクトル ベクトルデジタル本部 Lead Conversion Strategist 松本景太
Webサイトの総合コンサル業務を行うようになるまで

まず、簡単にこれまでの経歴を教えてください。



出身が群馬なのですが、「とにかくまずは東京に出て、そして大学に入ろう」と考え、都内の大学の法学部に入学、そのまま卒業しました。
ただ別に法律関連の仕事に興味があったわけではなく、ただ漠然と就活の際は「まずはコミュニケーションスキルを身につける」ことを強く意識して営業職を志望し、営業現場で3年近く働いていました。
ただ思いのほか営業がしんどくてですね(苦笑)





そろそろ違う仕事を探そうかなという頃に知人の紹介もあり、3社目として Web コンテンツ制作会社に入社しました。
そこで検索流入狙いの記事などの制作に携わっていました。



SEO をめぐる世の中の動きも活発で、変動も激しかった時期では?



そうですね(苦笑)
自分は特に記事を外注し、それをディレクションするような業務を担っていたのですが、業績的にも、かなり会社は大きく影響を受けていたように思います。
また数年働く中で、改めて営業の時のように「自分の取り組んだ結果がわかりやすい仕事がいいな」と考えを改めまして、次の仕事を探しはじめました。
そしてそこで Web 広告に出会い、前職の Web 広告代理店に入社しました。



前職は完全未経験で入社されたのですか?



そうですね、未経験で入社しました。



Web コンテンツ制作の仕事と広告の仕事、結構違いますよね。
まず具体的にはどんなところに、強く差を感じましたか?



そうですね。やはり多くの場合、コンテンツ制作と違い、広告は良くも悪くも、比較的すぐに結果が出ます。
そういった数値を見て次の手を考える…というのを短期間に行うというのは、まったくもって今までの経験になく、すごく新鮮でした。



早々に手ごたえを感じた仕事なんかもありましたか?



そうですね。
例えば当時は Meta 広告の CPM も安かったですし、色々と市場環境もよかったので、自分が携わった案件でも一気に成果が出て、「成果出てるし、じゃあ予算投下しよう」みたいなご判断を頂くことも多かったです。





逆に運用する中で成果が出せないこともあり、そういう場合自分で、前職での経験を活かして記事 LP を制作したり、それを広告のリンク先などに用いることで成果を出したり…みたいなことも行っていました。



おー。素晴らしい。



当時職場で SEO に関する知識や、コンテンツ制作に関する知見を持っている人が少なかったこともあり、LP を制作したり、LINE 公式アカウントを用いた導線設計であったり、つまり Web 上での集客を目的としたような、Webマーケティングの総合コンサルのような業務を行うようになっていきました。



それは個人でですか、それともチームでですか?



最終的には8名ほどのメンバーを見ながら、チームで行っていました。
ボードメンバーから売上や数値に関する目標を与えられ、それに対して具体的に「…じゃあどうしていこうか?」となった時に、Meta 広告など一部自分自身でも広告運用を行いつつ、制作もチームで請け負い粗利を作っていくという形で仕事に取り組んでいました。



会社としては広告代理店、つまり「広告運用」が主たる業務だったわけですが、あくまで手段は自分で考えていいよという形だったので、徐々に広告よりも制作で数値を作るようになっていった…という認識で合っていますでしょうか。



そうですね。その認識で間違いないです。
ベクトルデジタルとの出会い



次の職場としてベクトルデジタルを選ばれ現在に至ると思うのですが、選ばれた理由を教えてください。
ベクトルデジタル|株式会社ベクトル|VECTOR INC.|PR会社
https://vectorinc.co.jp/digital



まず広告により沿う形で仕事はしていきたいなと考えつつ、自分自身別の環境で成長したいとなった時に、成長できる環境を提供できる場がかなり限られてきていると考え始めました。



…といいますと?



世の中の流れとして、例えば有名な広告代理店同士の合併であったり、再編であったりが起きていることは認識していて、そういった大きな流れの中で、普通の広告代理店に行ったとしても、今と同じような仕事をするだけになってしまうのでそれは意味がないなと…。





はい。



そこで、「Web 広告×なにか、で未知の可能性があるところはないか」と探すような形で転職活動を行い、そこでベクトルデジタルに出会いました。



参画するにあたって、不安はありましたか?



ベクトルの風土というか、雰囲気が結構前職の雰囲気にも近かったので不安はあまりありませんでした。
内定直後ぐらいにボードメンバーの方々と話をする機会があり、そこで「無料で LP を提供するサービスをやろうと思っているんだけど…」という話を頂きまして。



おお、その時点ですでに構想を打ち明けられていたんですね。



はい、そこで「ぜひトライしたい」と思い、志願しました。
なぜ無料でLP(ランディングページ)を制作するのか?



率直に、今回のリリースに関して、実際に取り仕切っている松本さんに色々聞いてみたいんですけど…





はい、ちょっと鋭そうで怖いですけど(笑)



まずは率直に、なぜ無料で LP を提供するのですか?



理由は単純明快で、ビジネスモデルとして成立するからです。



もう少し具体的に伺いたいです。



はい。
例えばベクトルデジタル内には、次のように様々なソリューションを提供する企業があります。





そうですね。



自分はその中で LP を制作できますし、例えばキーワードマーケティングでは広告運用を実施できます。



ベクトルデジタル内で、そういったアセットを組み合わせることができれば、制作費をこちらで持ち出しても回収できるからなんです。
例えば「LP を無料で制作させてもらう代わりに、ベクトルデジタルで広告運用をやらせてもらえません?」とか、そういったやり取りが可能となります。



はい。



また過去の経験上、しっかりとした LP を制作すれば成果が出るので、成果が出れば自然と広告投下金額は増えていくはずです。



そうですね。



そのため無償であったとしても、かなりしっかりとした LP を制作することができるのです。



よくわかりました。ちなみに「かなりしっかりと」とは、どれぐらいのイメージでいればよいのでしょうか?



一般的なランディングページの制作会社に発注したら、70万円から100万円程度が請求されるような LP であれば、1-2カ月あれば制作可能です(笑)



よくわかりました(苦笑)



ご入社以降、現在の制作状況についても教えてください。



現在公開したものもいくつかあるような状態で、4ページほど公開を控えているものがある状態です。
サービスの告知に関しては、まだそれほど露出をしているわけではなく、プレスリリースを打った程度ではあるのですが、しっかりと依頼は入り始めています。
ベクトルデジタル、インターネット広告運用代行顧客向けに LP(ランディングページ)を無料で制作する新サービスを提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000127754.html



公開できる事例はありますか?
この記事を読んだ方が「あーこういうページが作れるのか」みたいなイメージができるものがあるといいかなと思いまして。



そこでいうと、入社してすぐに制作したのが、実はキーワードマーケティングの「SCM」のサービス紹介ウェビナーページなんですよね。





あーそうだったんですね。まったく知りませんでした(汗)



PIVOT に出演したことも影響して、ウェビナーの方も順調に集客できたようで、よかったです。



とにかく時間がない中で制作しなければいけなかったのですが、資料もすぐ頂けて、尚且つわからない部分に関してもグループ内でのやり取りということもあり、スムーズに制作することができました。



動画もウェビナーも好評だったと僕も伺っています。松本さんの多大な貢献の上で成り立っていたのですね!
制作会社に有償で制作してもらうLPとは何が違うのか?



すでに「無料で LP を制作する」というのは、他の代理店でも行っていることかと思います。



そうですね。そういうところもあると思います。



他制作会社や広告代理店が制作する無償、廉価な LP との違いを教えてください。



まず1つ目は、「獲得」を念頭においた LP を、広告運用の経験がある者がしっかりと監修し制作するという点です。





広告代理店で LP を無償制作する場合、さまざまな制約があったり、そもそも「獲得」を目的とした広告運用経験のない方が LP を制作する場合もあると思います。



その点、たしかにベクトルデジタルが LP を無償提供するには一定の条件はあります。
ただ制作している自分自身、広告運用の経験があるので、実際に今制作している LP もそうなのですが、セールスライティングなどの部分についても特に念入りに行います。
そういった点でも、お声がけ頂けると違いを実感できるかと思いますよ。



中には「獲得」を得意とする LP を制作される方や、制作会社の方もいらっしゃるかと思います。
そことの違いとなってくると、どうでしょう?



実際の LP 制作の流れ(イメージ)はこちらになります。





こちらのイメージ図には含まれていませんが、当然制作を進める中でのラリーなどは当たり前のように行っていきます。
また制作体制面でも、他制作会社さんなどと遜色ないかと思います。
しいて言うなら、ベクトルデジタルは条件はありつつも、「無料」で制作するので(笑)そこの違いは大きいのかなと。



たしかに、それは大きな違いですね(笑)





2つ目に、しっかりとヒアリングや、情報連携を行った上で制作を行います。
例えばこれは以前に登壇した際に紹介した事例なのですが…





これはどちらかと言えば、これは LPO 事例にはなるのですが、こういった情報を拾い上げながら、エンドユーザーにとって最適な LP を制作します。



一次情報、二次情報の活用、非常に重要ですよね。
こういった情報はあとになってみると「言われてみれば確かに…」というものも多いのですが、それは結果論であって現場で課題に直面している当事者は、それを知れなかったり、気づけなかったりすることが多いんですよね。



そうなんですよね。ただ網羅的に情報を集めれば、そういったものを拾い上げることも可能です。
細かい一次情報などはどうしても初回のヒアリング1回では拾い上げきれず、LPO を行っていく過程であったりで拾い上げ LP の中に組み込んでいくことも多いかもしれませんが、そういったことをやっていきたいと考えています。
なぜ有償提供ではなく無償提供するのか?



話を聞けば聞くほど、「有償でも作ってほしい」となる方も多いように思ったのですが、あくまで無償提供にこだわる理由を教えてください。



例えば、月に均等に計1,000万円の広告費をかける場合、1日あたり30万円前後は広告費を投下することになります。
3日で約100万円、それだけ投下すればかなりしっかりとした LP ができあがるはずです。
それを広告のリンク先に設定し、広告配信した方がより成果が出るはずです。





でもそれをしないケースは多い。
これは自分の前職であったりの経験を踏まえた上での見解です。
理由は様々ですが、リソース面だったり、手近なリードの欲しさであったり、その投資を広告に投下するという判断をするケースは想像以上に多い。



僕は「広告」という形で投資を受ける側なのですが、おっしゃっていることはよく分かります(苦笑)
「その予算を LP に投下した方がいいんだけどな…」というケース、正直これまでにも結構ありました。



僕はその、金銭的な背景であったり、トータルどちらが得なのかを伝えても理解してもらえない、もしくは理解して頂いても制作まで手が回らなかったりといったことをよく見てきたので…(苦笑)
であれば「LP はいっそ無料で作ります。それを使って成果を出しましょう。その代わり広告だったり、集客に関して携わらせてください」というスタンスの方が、社会的にも受け入れてもらいやすいのかなと思いまして。



よくわかりました。ありがとうございます。
今後の展望



最後に、今後の意気込みについて教えてください。



そうですね。先ほどお伝えした通り、まずはもうすでに何社か取り組んでいるものもあり、公開したものもあります。そういった形で取り組んでいき、まずは実績を積み上げていき、しっかりとした LP の価値に気付く人が増えてもらうことを目的に取り組んでいきたいです。





その上で、もしできるのであれば LP に欠陥があり、サービスのグロースや商品販売の効率に課題を感じているようなお客様がいらっしゃれば、そちらを最優先で救っていくような活動を実現できればと考えています。



具体的に、「お願いしたいなー」と思った段階で、何を用意して問い合わせればよいでしょうか?



そうですね。まずは具体的な商材やサービスを。あとは営業時に使用する資料であったり、お客様の声などがあればそれを頂ければ大丈夫です。



え、本当に?それだけでいいんですか?



はい、大丈夫です(笑)



わかりました。
では今まさに広告代理店やインハウスで広告配信していて成果が出ていなかったり、LP も見直そうかなーと思っている場合、率直に松本さんにご相談するのが良さそうですね。



そうですね。まずはぜひ、お気軽にご相談いただければと思っています。



承知しました。今日はありがとうございました。



はい、ありがとうございました。
企画・執筆・編集・インタビュアー:川手 遼一
インタビュー協力:松本 景太
撮影:コウノタカユキ(Taka)